ナンシー・ラン
Nancy Lang Portrait

Introduction

アーティストについて

韓国を拠点に活動するナンシー・ランは、「歩くポップアート」として、その存在自体が作品視される、アジア現代美術界、注目の作家です。

彼女の活動の根底にあるのは、「現代アートを特権的なホワイトキューブから解き放ち、大衆の日常へと接続する」という強い意志です。企業や高級ブランド、テレビ番組など、多岐にわたるメディアとのコラボレーションは単なる商業活動ではなく、彼女にとっては社会へ直接介入し、アートをより身近な実存として提示するための「拡張された表現」なのです。

Style & Philosophy

スタイルと哲学

彼女の代表作は、哲学的で対照的な二つのシリーズによって構成されています。

Taboo Yogini (タブー・ヨギニ)

サンスクリット語で「天使」と「悪魔」という相反する二面性を持つ「ヨギニ」。ナンシー・ランが描く《Taboo Yogini》は、無垢な子供や動物の姿を借り、全能の神と同等の力を持つがゆえに地上ではタブーとされる存在です。

彼女たちは禁を破ってアートを媒介に顕現し、自らのエネルギーと引き換えに人々の夢を叶え、姿を消します。しかし、その死は終わりではなく、新たなヨギニを生む連鎖反応の始まりでもあります。キャンバス上では、アクリル、コラージュ、スワロフスキー・クリスタル、樹脂、オブジェといった異素材が混ざり合い、この永遠の循環と煌めきを表現しています。

Taboo Yogini Artwork

Bubble Coco (バブル・ココ)

神話的なヨギニに対し、極めて私的な記憶から生まれたのが《Bubble Coco》です。これは、20年もの長きにわたり彼女の肩の上で活動を共にした愛猫「ココ・シャネル」を昇華させたキャラクター作品です。かつて現実世界を生きたココは、いまや時空を自由に超越するアーティストのペルソナとなりました。老いることも死ぬこともないその姿は、幸福の記憶と創造の精神を未来へと継承し続ける、永続的なアイコンなのです。

Bubble Coco 1
Bubble Coco 2

Project & Career

主な活動
鮮烈な国際デビュー
2003年のヴェネチア・ビエンナーレおよびNYタイムズスクエアにおいて、パフォーマンス《Uninvited Dreams and Conflict - Taboo Yogini》を発表し、世界的な注目を集める。
歴史的な展示への選出
2009年、フランスのアングル美術館で開催された「Ingres in Modern」(ルーヴル美術館部門館長ディミトリ・サーモン企画)において、パブロ・ピカソ、フランシス・ベーコン、アングルといった巨匠たちと並び、最年少アーティストとして招待される。
グローバル・コラボレーション
2003年に世界的ロックバンド「リンキン・パーク(Linkin Park)」およびワーナー・ミュージックと、2005年には「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」とコラボレーションを行い、映像作品や絵画を発表するなど、ジャンルを超えた活動を展開している。

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